インクジェットに最適なのは「シャーリング」か「パイル」か?

前回は、シャーリング生地をベースにインクジェットプリントの表現について伺いました。インクジェットプリントをする際、土台となる生地選びで迷う方がいるようです。そこで「シャーリング生地」と「通常のパイル生地」、見た目や性能はどう違うのでしょうか?

これは非常に重要な選択です。結論から言うと、プリントの美しさを優先するなら「シャーリング」一択、タオルの実用性を優先するなら「パイル」ですが、インクジェットの場合は少し特殊な事情があります。

まず、シャーリング生地について教えてください。

シャーリングとは、タオルの表面にあるループ状の糸(パイル)の頭を、刈り取って平らにした状態のことです。

①見た目の特徴は、表面がフラットで滑らかなので、紙に近い感覚でプリントできます。写真や細かい文字もボヤけずにクッキリ再現されます。
②質感は、ベロアやビロードのような、少し光沢のある高級感漂う手触りになります。
③デメリットとしては、ループをカットしている分、通常のタオルより吸水性がわずかに落ち、毛羽落ちもしやすくなります。

では、お馴染みのパイル生地(ループがある状態)はどうでしょうか?

タオル本来の姿ですね。糸が輪っかになっているので、空気を多く含みます。

①見た目の特徴は、表面に凹凸があるため、インクが深く入り込みにくく、細かいデザインは「にじんだ」ような表現になります。
②質感は、これぞタオル、というふんわりした弾力があります。吸水性はシャーリングよりも良いです。
③デメリットとしては、毛並み(パイル)が動くとプリントの隙間(白い根本)が見えやすく、写真のような緻密な表現には向きません。

やはり、販促やイベントグッズではシャーリングが人気なのでしょうか?

そうですね。特にインクジェットを使うようなこだわりのデザインなら、シャーリングを選んだほうが満足度は高いです。せっかくフルカラーで綺麗にプリントしても、パイルの凹凸でデザインが崩れてしまうともったいないですからね。
また、シルクプリントと比べてもインクジェットの加工費の方が高いです。良い加工を良い生地で製作し、その付加価値をプラスしてお客様に喜んでいただくための選択をしていただければと思います。

なるほど。「見せるためのタオル(デザインや付加価値)」か「使うためのタオル(実用的な吸水性)」かで生地を決めた方が良いということですね。

その通りです!ただ、シャーリング生地は「片面シャーリング」といって、表面はプリント用にカットし、裏面は吸水性のためにパイルを残すという加工が一般的です。そのため表は「デザイン」、裏面はパイル地で「吸水性」を保つ良いとこ取りができます。

確かにそれは納得のいく生地の特性ですね!今回もありがとうございました。

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